最近思い出した大学生時代の出来事。
大学1年生の時。その大学には私が所属していた軽音サークル以外にも2つ、別の軽音サークルがあって、なんとなくそれぞれのサークル同士も交流があった。
ある日、大学の構内を歩いてる時にその二つのサークルのそれぞれの幹事の先輩お二人が何か盛んに議論?していた。
前を通りかかると、ふと呼び止められた。
「ねぇねぇ、歌聞くときって、メロディ聴くタイプ?それとも歌詞を聴くタイプ?」
突然の質問に面食らった。
正直、それまでそんなこと考えたこともなかった。
「んー・・・。歌詞ですかねぇ?・・」
「そんなこと考えたことないです」って正直に答える勇気がなかった私はとりあえずなんとなく答えた。
私の答えを聞いた先輩たちは私に「ありがとう!」というと、「やっぱり」とか「いや、でも」とかまたそのままなんだか議論を始めて、その前を通りかかる軽音サークルの学生を見つけるとまた同じ質問を投げかけていた。
その後、そのお二人とそのことについて話す機会は全くなかったのだけど、その質問がずーっと心に引っかかっていて、それ以来、すごく意識して歌を聴くようになったように思う。
歌の聞き方に正解も不正解もないから、本当はそんなこと考えたこと無くたっていいのかもしれないけど、自分が歌を「歌う」に当たって、自分がどんな歌詞を歌ってるのかっていうことにそれまですごく無頓着だったことに、この時初めて気がついた。
それからだな、自分が歌ってる歌詞の言わんとすることにすごくこだわるようになっていったのは。
ワンレフでやるカバー曲を選ぶ時に、どうしても歌詞に共感できない曲は歌えない。
作詞した本人と同じ意味で歌詞を捉えているかどうかはわからない。
私にとって共感できるかどうか、ただそれだけ。
そのスタイルが正しいか正しくないかはどうでもいい。
でも、このスタイルは自分で嫌いじゃない。
そしてあの日のお二人の質問から私のこのスタイルがスタートしている。
お二人にとっては議論をしている時にたまたま前を通りかかった後輩に質問してみただけの偶然の一瞬だったのかもしれないし、もしかしたら私に質問したことすら覚えていないかもしれない。
でも、私にとっては大きな一言だったんだよな。
違うサークルの先輩だから、全くその後お会いすることはないのだけど、いつかどこかでお会いできることがあったらお礼を言いたいな、と思ったのと同時に、人と人ってこんな風に自分も覚えていないような一言が誰かの人生に大きく影響してたりするんだなって改めて思った。
いつかのバスの中でのおばぁちゃまの会話なんかめちゃくちゃ私に勇気をくれているし。(→『祝!80才!』)
それこそ、そのおばぁちゃまはまさか自分の発言が見ず知らずの私にめちゃくちゃ勇気を与えていたなんて全く思いもしないと思うのだけど。
なんか、やっぱり、私は私自身でいよう、と改めて思った日曜日。